2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

平家物語を読む155

巻第十 高野巻*1 三位中将・維盛卿を見て、滝口入道は「これは現実の事とは思えません。どうして屋島からここまで逃れて来たのですか」と言った。維盛卿が「他の人々と同様に都を出て、西国へ向ったのですが、故郷に残してきた幼い子たちが恋しく、いつにな…

文字と音

岩波文庫の「方丈記」を手に取り、いつものように黙って文字を目で追っていたが、頭の中を流れるその旋律が美しく、思わず声に出して読み始めた。 本居宣長が繰り返し述べていた(日本語にとって)「文字は仮もの」という言葉を思い出す。文字がまだなかった…

平家物語を読む154

巻第十 横笛 さて、小松の三位中将・維盛卿は、その身は屋島にあるものの、心だけは何度も都を訪れていた。故郷に残してきた北の方、幼い子たちの面影が、いつも頭から離れる事がなかったので、「生きていても仕方のない我が身である」と、三月十五日の明け…

二時間半の車での移動中、クロは何も口にしなかった。 到着してから、少しペレットやヘイを食べた。が、あまりフンをしていないので気にしていたら、二日目の夕方に何度か柔らかいフンをした。お尻が汚れるほどだったので心配したが、しばらくすると治まった…

テラスに掛けられたフィーダーに、ひっきりなしに鳥が訪れていた。 初めは見間違えかと思ったDark-eyed Junco(ユキヒメドリ)だが、調べたところ、平地では冬にしか見られない鳥も、涼しいこの地では一年中見ることができるとわかった。 Red-breasted Nutha…

今回の旅行で訪れたのは、北から続く古い山脈が終る辺り。 気温も平地とはかなり異なり、朝晩は暖房が必要なほどだった。 家は森の中にあった。日が落ちると、辺りはまったくの闇になる。 二日目に登った山からの眺望。あまりの高低差に足がすくんだ。

明日から二泊三日で、北部の州境、山の方へ出かけることになった。 車で二時間ほどの距離なので、クロは連れて行くことに。クロを旅行用ケージに移したのは今朝からだが、すぐに慣れてくれたようなのでホッとする。 旅行用ケージで水を飲むクロ。 飲み終えた…

清貧

このところずっと「聊斎志異*1」を楽しみながら読んでいる。一つ一つの話しが短いので、ちょっとした時間に読めるのもいい。昨夜、寝床で読んだ「菊の姉弟――黄英」は、実は菊の精である姉弟と、無類の菊好きである男の話しである。以前は荒れ放題だった庭が…

ブティ

ブティのポーチが完成。 全面に綿や綿コードが入っているので、かっちりとした仕上がり。 木のビーズを使った。 底はマーガレット模様です。 次は何にしようかと考え中。 参照:フランスのキルト ブティ

平家物語を読む153

巻第十 千手前*1 頼朝はすぐに重衡卿に対面すると言った。「そもそも君主の憤りを鎮め、父の恥を清めようと思い立ったからには、平家を滅ぼすのは容易い事だと思っていましたが、こうしてお会いする事になるとは思いもしませんでした。この調子では、屋島の…

フィーダーに訪れるRuby-throated Hummingbird(ノドアカハチドリ)は、確かに二羽いる。どちらもメスと思う。 が今は、大きめのメスが縄張りを主張しているようだ。もう一羽がフィーダーに近付くと追い掛け回していた。小さい方のメスは隙を見て、フィーダ…

ロシアへ行っていた親から、お土産のチェスが送られてきた。 一つ一つが精巧で、見ているだけでも楽しい。

平家物語を読む152

巻第十 海道下*1 そうしているうちに、本三位中将・重衡卿を引き渡すようにと、鎌倉の頼朝がしきりに言ってきたので、「それならば赴こう」と、土肥次郎実平のもとから、まず義経の宿所へ移った。三月十日、梶原平三景時に連れられて、重衡卿は鎌倉へ向った…

平家物語を読む151

巻第十 戒文*1 都の三位中将・重衡卿は、屋島の平家の返答を聞いて、「やはりそうであろう。平家一門の人々は重衡の取った行動を不都合だと思ったに違いない」と後悔したが、どうしようもなかった。さすがに重衡卿一人の命を惜しんで、皇室の宝物である三種…

どうやら、我が家のフィーダーにやって来るRuby-throated Hummingbird(ノドアカハチドリ)は二羽いるらしい。 目にも留まらない速さで追いかけ合っているところを、何回か見かけた。 そういえば、ネクターを吸った後、すぐにどこかへ飛んでいってしまう時と…

Covered Bridge 2

日曜日、昼から久しぶりに車で出かける。 五月に訪れたCovered Bridge(屋根つきの橋)を思い出し、別の一つを訪ねてみることに。 1897年に建造されたもの。 すべて木造りで、今も通行が可能なものは珍しい。 舗装されていない細い道の先、小さな川にひっそ…

久しぶりに川沿いの国立公園へ行く。見かけた鳥はBlue Grosbeak(ルリイカル)のオスと、American Goldfinch*1(オウゴンヒワ)のオスくらい。こういう日もあるだろう。 家に帰る途中、車の中からCanada Goose(カナダガン)の死骸を見かけた。顎を前に突き…

平家物語を読む150

巻第十 請文*1 大臣・宗盛公と大納言・時忠卿のもとへ、後白河法皇の命の趣旨が伝えられた。母親である二位殿へは手紙が渡された。「もう一度、私にお会いになりたいと思われるのであれば、内侍所*2の事を、宗盛公によくよくお話しくださいませ。そうでなけ…

昨日の夕方、ハチドリ用のフィーダーとネクターの素を買いに行った。 フィーダーにはいくつか種類があったが、ハチドリは赤色に最も反応するらしいので、赤いものにしてみた。 花をあしらった部分に小さな穴があり、そこにクチバシを刺し込んでネクターを吸…

平家物語を読む149

巻第十 八島院宣*1 さて、平三左衛門・重国と後白河法皇の御所の召次所に勤める下役人は、屋島に赴き、法皇の命がしたためられた文書を平家に渡した。宗盛公以下の平家一門の公卿・殿上人が集まり、これを開いた。内容は以下の通りである。 安徳天皇が皇居を…

昼過ぎ、窓の外で何か小さいものが動いた。 虫かな、と思って見ていると、すっと窓のすぐそばの小枝に止まった。ハチドリだった。緑の背に白の腹、Ruby-throated Hummingbird(ノドアカハチドリ)のメスか幼鳥のようだった。 しばらく、胸のドキドキが止まら…

平家物語を読む148

巻第十 内裏女房*1 二月十四日、生け捕りにされた本三位中将・重衡卿が、六条大路を東に引かれていった。屋形に小さな八葉の蓮花の紋をちりばめた車は、前後のすだれが巻き上げられ、左右から中が丸見えだった。土肥次郎実平が黒味を帯びた黄赤色の衣に小具…

ブティ

クッションの余り布で、ポーチを作ることにした。 綿よりも綿コードで膨らませる部分が多い模様なので、楽だろうと思っていたら、下縫いに時間がかかった。 明日から綿つめをしよう。

平家物語を読む147

巻第十 首渡*1 寿永三年二月七日に摂津国と播磨国の境の一の谷で討たれた平氏の首は、十二日に都へ入った。平家と縁故のあった人々は、自分たちの側の人間がどれだけ辛い目に遭った事かと、嘆き合い悲しみ合った。中でも大覚寺*2に隠れていた小松三位中将・…

この週末、クロの爪をほぼ一ヶ月ぶりに切った。かなり伸びていたので、かえって切りやすかった。 爪切りはクロのテリトリー外である台所で行うことにしている。近頃は、台所に連れて行かれると観念したようにおとなしくなる。 後足の爪を手入れ中のクロ。 テ…

二日ほど前の雷雨以来、それまでとは打って変わって涼しくなった。このまま秋になりそうな気配だが、そんなはずはなく、またすぐに暑さが戻ってくるだろう。 テラスのフィーダーからこぼれたエサを食べに来るNorthern Cardinal(ショウジョウコウカンチョウ…

平家物語を読む146

巻第九 小宰相身投*1 越前三位・通盛卿の侍に、くんだ*2滝口時員*3という者がいた。通盛卿に最後まで付き従った侍だった。時員は通盛卿の最期を伝えるために、北の方の舟を訪れたのである。「主君は湊川の下流で、敵七騎に取り囲まれて討たれました。その中…

平家物語を読む145

巻第九 落足*1 故重盛公の末子である備中守・師盛は、従者と七人で小舟に乗り逃げようとしていた。そこへ、新中納言・知盛卿の侍である清衛門公長という者が駆けて来た。「そちらは備中守殿の舟と思われますが、乗せていただけませんか」と言うので、舟は再…

いつの間にかクロは、ケージの掃除が終ると、自らケージに跳び上がって入るようになっていた。 ケージ掃除の後、エサ入れにほんの少しドライフルーツを入れておくのだが、クロはそれをすっかり覚えてしまったようだ。 まずは匂いを確認。この後、跳び上がっ…

不思議な少年

マーク・トウェインの死後、遺された多くの原稿の中に、サタンという不思議な力を持つ少年が登場する三つの未完成の原稿があった。これらをもとに編集されたのが「The Mysterious Stranger, A Romance」で、1916年に初版が発行された。 この方法については賛…