2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

徒然草を読む74

第九十段 大納言の子である法印の召使をしている乙鶴丸*1は、やすら殿という者と知り合いになり、よくその家を訪ねるようになった。ある時のこと、出掛けて戻ってきた乙鶴丸に、法印が「どこへ行ってきたのか」と尋ねると、乙鶴丸は「やすら殿の元へ行ってま…

徒然草を読む73

第八十九段 「山の奥には、『猫また』というものがいて、人を食うらしい*1」とある人が言った時、「山ではなくとも、この辺りでも、年功を積んだ猫が猫またになり、人の命を奪うという事があるそうだ」と言う者がいた。これをたまたま、行願寺*2の辺りにいた…

日曜、天気がいいので、北へ一時間半ほど行った所にある峡谷の州立公園へ行くことにした。去年の秋に紅葉を見に行った場所だ。 日向は暑いくらいだが、木陰に入ると風が爽やかで気持ちいい。 緑の中の滝は、思っていた以上によかった。 見ているだけで涼しさ…

徒然草を読む72

第八十八段 ある者が小野道風*1の手によって書かれた和漢朗詠集*2を持っているというので、ある人が、「昔からの言い伝えは根拠がない事ではありますが、四条大納言・藤原公任殿が選ばれた『和漢朗詠集』を、その当時既に亡くなっていた小野道風が書いたとい…

キルト

ダブルウェディングリングのベッドーカバーは、白の地布と縫い合わせるところまできた。 思っていたより早くできあがるかもしれない。一番時間がかかるのは、おそらくキルティングだろう。

徒然草を読む71

第八十七段 下男に酒を飲ませるという事は、十分に注意されるべき事である。宇治に家を構えるある男は、妻の兄という縁から、京の具覚房*1という優雅な遁世者と、親しく交際するようになった。ある時、男が遣わせた迎えの馬が到着すると、具覚房は「長い道の…

久しぶりの雨が嬉しい。乾ききっていた地面がじわじわと湿っていくのを見て、ほっとした。 昨日から妙に元気なクロ。暖かい気候のせい? 体を伸ばして豪快なあくび。

徒然草を読む70

第八十六段 平惟継*1中納言は、風月の才*2に富む人であった。一生涯を仏道修行へ傾けるとし、読経を行い、園城寺*3の円伊*4僧正と同じ宿に寝起きして修行に励んでいたところ、文保三年*5に園城寺が焼失した*6。この時、自身の僧坊を持っている僧侶に向かって…

徒然草を読む69

第八十五段 人の心は純粋なものではないので、偽りがないとは限らない。とはいえ、まれに、純粋な心を持ち、少しも偽りがないという人もいるであろう。自身の心が純粋ではないのに、賢い他人を見てうらやましく思うというのは、世の常である。最も愚かな人は…

川沿いの国立公園へ行く。 薄く雲が広がっているせいか、どこか蒸し暑い。半袖でも汗ばむほどだ。 今朝もよく見かけたBlue-gray Gnatcatcher(ブユムシクイ)。相変わらずすばしっこい。 川と湿原の間を、たくさんのNorthern Rough-winged Swallow(オビナシ…

徒然草を読む68

第八十三段 竹林院の入道・左大臣殿*1は、太政大臣に上がられるのに、何の支障もないはずであったが、「心が引かれない。左大臣で終わりにしよう」と、出家された。この事に感心された洞院の左大臣殿*2も、太政大臣へ望みを持たれる事はなかった。 「亢竜、…

最近、クロがよくヘイを食べるので、店でヘイを買う時には、念入りに色や香りを調べてから買うようになった。状態がよさそうなヘイに巡り合った時は、多めに買い置きすることも始めた。 朝晩のペレットの量は少しづつ減らしています。

生態や諸行動などなど、うさぎについてもっと知りたいので、いずれ読みたいと思っている本。 この6月に再版されるThe Private Life of the Rabbit*1も、読んでおきたい。「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」が書かれる際、参考となった本。 *1:邦訳:…

徒然草を読む67

第八十二段 「巻物や草子などの、薄い織物で装飾された表紙は、すぐに壊れるのが困る」とある人が言った時に、頓阿*1が、「薄い織物の表紙は上下がほつれるほど、螺鈿の軸は貝が落ちた後の方が、素晴らしい」と言ったというが、思っていた以上に優れた人だと…

徒然草を読む66

第八十一段 屏風や襖、衝立などの絵や文字が、ぎこちない筆遣いで書かれているのは、見苦しいというよりも、その宿の主人の品位が疑われるというものである。 そもそも、持っている道具について、がっかりさせられるという事もある。それほどいい物ばかりを…

午後、部屋の外から聞こえてくる鳥の声がいつもと違った様子なのでテラスを覗いてみると、フィーダーにHouse Finch(メキシコマシコ)のつがいが来ていた。 http://video.google.com/videoplay?docid=-9221194840752225568 オスです。裏側にメスもいました*1…

徒然草を読む65

第八十段 人はそれぞれが、自身に縁遠い事ほど好むものである。僧は武道に励み、東国の武士は弓の引き方を知らずに、仏法を心得ている様子を見せ、連歌を作り、管弦をたしなむ事に精を出す。よって、なおざりにしている本来の道より、更に、他人に侮られる事…

朝晩の一日二回、決まった時間をクロは部屋で過ごす。この生活にすっかり慣れたクロは、ケージの中にいる時も適当にくつろいでいて、特に不満はなさそうに見える。 そんなクロだが、たまにケージの扉をガンガン鳴らして人を呼ぶことがある。たいていは以下の…

徒然草を読む64

第七十七段 世間において、その頃、人々が噂の種にして言い合っている事を、かかわるべきではない人が、その事情によく通じていて、周りに語って聞かせたり、また自分からも尋ねたりするというのは、納得できない事である。特に、片田舎に住んでいる聖法師*1…

天気がいいので、家の近くの公園へ。 緑の下を歩く。風が吹くたびに、葉の隙間からぱらぱらと光がこぼれた。 川面に映り込む緑。 Blue Jay(アオカケス)が数羽、せわしなく飛び回っている。クチバシいっぱいに枯葉をくわえたTufted Titmouse(エボシガラ)…

徒然草を読む63

第七十六段 世間で勢いが盛んだと思われている人のもとで、悲しい事や喜ばしい事があると、多くの人が見舞いや祝いのために家を訪れる。そんな中に、聖法師*1が交じって、取り次ぎを申し込み、門口にたたずんでいるのを見ると、そのようにしなくともいいのに…

言葉を失わせる風景

届いたばかりの写真集のページをめくっていて、ある一枚に何の前触れもなく心を奪われた。青空の下、水辺を果てしなく埋め尽くす白い光……ワタスゲだろうか。 人の気配が感じられない雄大な自然を前にすると、何ともいえない絶対的な安堵を覚えることがある。…

徒然草を読む62

第七十五段 「つれづれなる生活」をわびしく思う人とは、一体どのような心持ちであるのだろうか。何にも心が奪われるような事はなく、ただひとりでいるという事こそいいというのに。 世の中の流れに従えば、心は六塵*1に奪われて惑いやすくなり、人に交われ…

徒然草を読む61

第七十四段 まるで蟻のように集まって、東へ西へと急ぎ、南へ北へと走る人の中には、身分の高い人もいれば、低い人もいる。老いた人もいれば、若い人もいる。これから向かう先のある人がいて、家へ帰る途中の人がいる。夜に寝て、朝に起きる。どうしてそれほ…

爽やかに晴れ上がった。正午頃、アパートの裏の森へ行ってみることに。 Carolina Chickadee(カロライナコガラ)の鳴き声がにぎやかな方へ向かう。Pine Warbler(マツアメリカムシクイ)もいる。さっと地面から枝の上へ飛び上がったのは、北へ向かう途中のSw…

徒然草を読む60

第七十三段 世に語り伝えられている事というのは、事実のままでは面白くないからだろうか、多くが空言を含んでいる。 元々人は物事を事実以上に大げさに言うものである上に、ましてや年月が重なり、また地域が変われば、好きなように事実を曲げて語るように…

徒然草を読む59

第七十二段 座っている周りに道具類があふれている様子というのは、見る者に卑しい印象を与える。硯の横に筆が多いのも、持仏堂に仏像が多いのも、また庭園に石や草木が多いのもそうである。家の中に子や孫が多いこと、人に対して言葉が多いこと、願文に作善…

暖かさが少し戻ってきた。明日は雨になるようなので、今日のうちにと散歩へ出ることにした。 川沿いの国立公園は行くのは、ほぼ一ヶ月ぶり。顔ぶれも変わっているに違いない。 にぎやかだったのは、夏鳥のBlue-gray Gnatchatcher(ブユアメリカムシクイ)。…

つれづれなる時間とは

一日の中で「徒然草」を読み解く時間、ほんの一時間ほどのことだが、これがいつの間にか私にとって自身を省みる大切な時間となっている。 やるべき事に振り回された一日が終わりに差し掛かる頃、いつものように「徒然草」を手に取り、栞を挟んだページを開く…

徒然草を読む58

第七十一段 名を聞くと、すぐにその人の容貌が想像できるような気がするが、実際に見てみると、前から思い描いていたような顔をしている人というのはいない。が、昔の物語を聞いていると、それを現在生きている誰かの家の辺りで起きたことのように思い描き、…