2007-08-21 徒然草を読む145 古典 第百七十八段 内侍所で行われた御神楽*1を見たある高貴な方の邸に仕える侍たちが、誰かに対して、「あのお方は、宝剣*2を持っていらっしゃった」などと言っているのを聞いて、御簾の中にいた女房の一人が、「別殿への行幸でお持ちになるのは、昼御座の御剣*3でございますよ」と忍びやかに言ったというのは、心憎い事である。この女房は、古参の典侍*4だったと聞く。 *1:毎年12月に行われる *2:三種の神器の一つ *3:ひのざのごけん:清涼殿内の天皇の昼の座所に備え置かれた御剣 *4:ないしのすけ:宮中の女官の勤める内侍司の中の次官