青い鳥

Indigo Bunting

 赤い鳥が赤いように、当然、青い鳥は青いものだと思っていたのだが、最近になってそうではないということを知り、軽い衝撃を受けた。青い色素を持つ鳥はむしろまれで、青い鳥のほとんどは、羽の構造によって青色に見えている*1だけなのだという。
 高校の物理の授業で、青空が青く見える理由を初めて知った時も、ひどく感動したことを覚えている。空が青い理由が科学的に説明できることについてというより、確かに目に見えている(と思っていた)ものの不確かさを実感したことの方が大きかった。
 青い鳥が青く見えるのは、青空が青く見えるのと同じ理由による。羽枝*2の細胞内にある空胞の直径が青色光の波長より小さいため、青色光が散乱されやすくなるというわけだ。空胞が、青空でいうところの空気分子の役割を果たすのである。
 青い鳥に対する漠然とした憧れの理由も何となくわかったような気がしている。私にとって青い鳥とは、小さな青空なのかもしれない。







Color: 鳥の色について更に詳しくお知りになりたい方は、Cornell Laboratory of Ornithologyのこちらのページを一読されることをおすすめします。

*1:Structural Color

*2:Barb