Ivory-billed Woodpecker

Ivory-billed Woodpecker

 既に絶滅したと考えられていたIvory-billed Woodpecker(ハシジロキツツキ)がアーカンソー州の森で発見されたと伝えられたのは、昨年の5月頃のこと。以来、Ivory-billed Woodpeckerの生存を確実なものとするための調査や、付近の森一帯*1の保護のため、多くの出資がなされているそうだ。
 そんな中、3月17日発行のScienceに、昨年のIvory-billed Woodpecker発見への疑問を示す論文が発表されたと、NPRの記事で読んだ。証拠とされているビデオテープに写っているのは同類のPileated Woodpecker(エボシクマゲラ)ではないかというものである。

左:Ivory-billed Woodpecker 右:Pileated Woodpecker*2
 このように両者は一見、よく似ている。大きな違いは羽の外側の白い部分である。羽の内側には両者共に白い部分が多くあるが、外側に白い部分を多く持つのはIvory-billed Woodpeckerだけなのだ。つまり、ビデオテープで木に止まっているIvory-billed Woodpeckerの外側の羽の白い部分とされているものは、飛ぼうとしているPileated Woodpeckerが羽を上に広げたことによって見えた内側の白い部分なのではないか、というのがその論文の主な内容である。
 記事には、多くの鳥愛好家がIvory-billed Woodpeckerに関する論争を、楽しみながら眺めているはずだというバーディング雑誌の編集者の言葉が添えられていた。
 私はというと、一日も早くIvory-billed Woodpecker生存の動かぬ証拠が見つかることを願ってはいるが、Ivory-billed Woodpeckerはきっとこうしている今も、悠々と深い森の中を行き交っているだろう、それならそれで見つからなくともいいのでは、という思いも心のどこかにある。



参考:Comment on “Ivory-billed Woodpecker Persists in Continental North America”
Response to Comment on "Ivory-billed Woodpecker Persists in Continental North America"

*画像(Ivory-billed Woodpecker, By John A. Ruthven)はNPRの記事より引用