徒然草を読む173

第二百三十三段

 すべてにおいて過ちがないようにしようと思うのならば、何事にも真心を込めて、相手によらず、誰に対しても礼儀正しく、言葉は少ないに越した事はない。男女・老少、皆、そのような人というのはいいものだが、特に、若くて美しい人で、言葉遣いがきちんとしている人というのは、いつまでも忘れ難く、好ましく思う。
 すべてにおいて過ちというのは、その事に熟達しているような様子をして、他人を軽んじる所にあるのである。