徒然草を読む125

第百五十三段

 為兼大納言入道*1が幕府の命により捕らえられ、武士たちに取り囲まれて、六波羅へ連れて行かれた。一条大路の辺りでこれを見た資朝*2卿は、「何ともうらやましい。この世の思い出とは、あのようなものでありたいものだ」と言ったという。

*1:京極為兼(きょうごくのためかね):1291年に権中納言となり、1298年に佐渡に配流されたが、1303年に京に戻され、1310年には権大納言となったが、1315年に再び土佐に配流された

*2:すけとも:日野資朝