2007-06-29 徒然草を読む114 古典 第百四十段 智者は、身体が死んだ後に財宝を残さない。よからぬ物が貯えおかれているのもみっともないし、よい物については、執着したのだろうと思われて見苦しい。まして、むやみに多く残されているのは醜いものである。「私がもらっておこう」などと言う者が現れて、死後に争いが起こる。傍目にも不快な事だ。死後は誰彼にと心に決めている物があるならば、生きているうちに譲るべきである。 朝夕になくて困る物は持っていても構わないだろうが、その他は、何も持たずにいたいものである。