2007-03-20 徒然草を読む44 古典 第五十五段 家の造りは夏を基準にするのがいい。冬は、どのような所にでも住むことができる。暑い季節の質の悪い住居というのは、耐え難いものである。 遣水*1について言えば、水が深いものは涼しげではない。浅く流れている方が、はるかに涼しい。細かいものを見るには、左右に開閉する遣戸の部屋が、蔀*2の部屋よりも明るい。天井が高いと、冬は寒く、灯りが暗くなる。家の建てる際、役に立たないような所を作っておくと、見るだけでも面白く、また何かと役に立つこともありいいのではと、言う人は多いようだ。 *1:やりみず:庭へ導き入れられた流れ *2:しとみ:格子を取り付けた板戸で、上に釣り上げて開ける