木

昨日は朝から青空だった。日差しは暖かく風はやや冷たい。気持ちがいいので、窓を開けて過ごした。
夕方五時過ぎ、にわかに空が暗くなったかと思うと、激しい雷の音が響き始めた。あわてて窓を閉める。間もなく大粒の雨が降り出した。と、テラスの床をたたく雨の音がいつもとは違う。窓の外を見てみると、雨ではなく「ひょう」だった。
気温が高いようで、テラスの床に降りた氷の粒は見る見るうちに融けてしまったが、いつもとは違う空からの贈り物に、子供の頃に一度だけ見た、地面を埋め尽くすほど降り注いだ白いひょうを思い出した。