巻第十一 腰越*1 さて、大臣・宗盛公が九郎大夫判官・義経に連れられて、東国への交通の要衝である粟田口*2を過ぎたのは、五月七日の早朝の事だった。既に皇居は雲の彼方となった。逢坂の関の清水を見て、宗盛公は泣きながらこう詠んだ。 都をばけふをかぎり…
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