2007-07-26 徒然草を読む124 古典 第百五十二段 西大寺*1の静然*2上人が、曲がった腰に白い眉という、実に人格が備わった様子で内裏に参上したのを見た西園寺内大臣殿*3が、「何とも尊いご様子だなあ」と、敬うような表情をしたところ、これを見た資朝*4卿は、「年を取っているだけでございます」と言った。 後日、資朝卿はむく毛のひどく年老い、やせ衰えて、毛も所々抜けている犬を従者に引かせて内大臣の邸を訪問し、「この犬は尊い様子でございます」と言って差し出したという。 *1:現奈良市にある真言律宗の本山 *2:じょうねん *3:西園寺実衡 *4:すけとも:日野資朝