十一月

夕暮れ

今日も風が吹いている。強弱の差はあるにしても、一日中、休むことなく吹いている。
窓の内側から、一枚また一枚と風に流される木の葉を眺めるのはいい。だが、つい気分をよくして外に出ると、すぐに耳が冷たくなり背中がぞくぞくしてくる。いくら歩いても一向に身体が温まらない。
本当にそれほど寒いのだろうか。空が晴れているので、どこかで暖かさを期待するからではないのか。そんなことを思っているうちにふと、十一月の寒さをきついものだと感じたのは、今年が初めてではないことを思い出した。